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OSの終焉(その2) −コンピュータの過剰な処理能力
さて、IT技術を大きく変えてしまう改革が起こりつつある訳だが、その理由と原因、しくみを探ってみたい。まず最も大きな要素と思われる、この「処理能力の過剰」について論じて見よう。

まずパソコン同士で比較してみる。パソコンの祖であるAPPLE−IIとか、PC8001と比較してみよう。まずクロック周波数だ。このクロック周波数というのは手拍子のようなもので、CPU内部ではこの手拍子に合わせて処理が進むのだ。だから手拍子が早いほど処理も早い。

PC8001のCPUはZilog社のZ80A互換、NEC製μPD780。そしてクロックは4MHzだ。一秒間に400万回。

次に現代の主流のCPUを仮にIntel社のi7とする。するとクロック周波数は概ね2GHz。つまり2000MHz。一秒間に20億回・・・・初代日本製PCのCPUと比較するとなんと500倍も早いのだ。これは大変な違いで、徒歩と、ジェット機の差だって200倍に過ぎない。しかしこの程度で驚いている場合ではない。

次の要素はバス幅だ。これは道路の車線のようなものだ。概ね8ビットで英数字1文字を処理できるので8ビットが1車線と考えて良いだろう。同時に処理できるデータ量がバス幅だ。

Z80は8ビットCPU。一方、i7は64ビットだ。ここでも8倍の差がある。

お次はコア数だ。昨今のCPUは内部にいくつもCPUを持っていて複数のCPUが集合体になっている。たとえばi7の場合には4個だが、実はハイパースレッディングという機能によって実質8個相当の処理能力がある。

これらを全部掛けてみると実に32000倍!!これは形こそ似ているが、全く異質の装置と言うことになる。ちょっと乱暴な比較だけれども、化学反応と核反応のエネルギー差ぐらい違うのだ。

この他、1命令を処理するのに何クロック必要か、などの要素も改善されているので、実際にはこの差はもっと開いている。

CPU以外では、主記憶装置も当時の64Kバイトからみると今は4GB程度。こちらも30000倍ぐらいになっているし、外部記憶も初代のウィンチェスターハードディスクは5Mバイトだったのが昨今は2TB。こっちは50万倍だ。

今、皆さんが読んでいるそのPCの処理能力は日米スパコン摩擦で揉めた「スーパーコンピュータSX−2」の数倍以上だし、みなさんが使っているそのスマートフォンは一昔前のメインフレームよりも処理能力が大きいのだ。

PC8001のデビューは1979年の5月。凡そ30年経過したわけだが、ここまで激しく進化する技術はそうそうあるものではない。しかも、まだ進化の速度は衰えていないようだ。

このような「異常」とも思える強烈な要素が入ってくると、伝統的なシステム設計とは異なって大きな技術的冒険が比較的容易になってくるし、「常識」と思っている事が、必ずしも正しくない事も多々起こってくる。

この膨大な処理パワーを背景にすると、これまでの手かせ足かせがなくなり、自由な発想によるシステム設計が可能になってくるのだ。

(文:窪田 敏之)
【2009/12/26 07:44】 | Workshop | トラックバック(0) | コメント(5) | page top↑
クラウド技術のポイント
「クラウドって要するにホームページの事でしょ?」
  −そうです。そのとおり。でも十分条件じゃないです。
「じゃ、何処が違うの?」
  −行った先に機能があるんですよ。たとえば、メールとか地図とか飛行機の予約とか。
「え、そんなの昔からあるじゃん」
  −そうですね、でも少し進化したところもあるんですよ。
「それは何?」
  −たとえば、株価を表示する場合、ホームページを作成したりデータを打ち込んだ時点の株価が出ます。
「うん」
  −ところがクラウドの場合、他のホームページから「今の数字」を貼り付けておいて表示できます。
「あらら、それは便利」
  −そうなんです。ここが今までのWeb技術との大きな違いですね。

という訳で、クラウドは基本的には他のクラウドと連携可能です、というのが大きな利点になる。そこで問題になってくるのが、どうやって情報を交換するのかというところだ。最近のクラウドはOSやライブラリのようにAPIを装備しているものが多い。これは他のクラウドからのサービス依頼に答えるものだ。

ここで問題になってくるのが、データ交換の速度だ。これは当然ながらネットワークの速度が関係してくるけれども、もっと大きな要素が認証だ。基本的にどこからサービス要求されるのかわからないネット上のクラウドの場合、サービス要求者がどのような者であるのかによってサービスポリシーを管理する必要があるが、これにはかなりのオーバヘッドが必要となる。

一口に「速度」といっても要求してから実際にデータが到着するまでの遅れ時間「レイテンシー」とデータを持ってくる速度「転送レート」その両方を加味した平均速度に相当する「スループット」の3っつがある。

クラウドの場合には特殊なものを除いては、サービス要求者は人間と同程度の反応時間を想定すれば良いのでレイテンシーはそれほど問題にはならないだろう。

現在のAPI呼び出し方式は、毎回認証を行って小さなデータを送るといったスループットにはあまり考慮されていないプロトコルとなっている。一口にAPIと呼んでいてもDLLを呼び出すのと比較するとおそらく1000倍から1万倍以上遅い。したがって当分は通信量の多いオブジェクト同士は物理的にも近い場所においておくという設計をせざるをえない。しかしクラウド同士の結合が密になるにしたがって、このプロトコルが進化してゆくに違いない。

もちろん物理的な距離というものは、非常に大きな要素であって完全に克服する事はできないのは当然ではあるが、システム設計上容認できる程度に物理的設置場所への依存度が下がってゆくのだろう。

(文:窪田 敏之)
【2009/12/19 16:05】 | Workshop | トラックバック(0) | コメント(0) | page top↑
OSの終焉(その一)
OSはOperatingSystemの略で、「基本ソフト」とも呼ばれるコンピュータシステムの基幹を成すソフトウェアと考えられてきた。しかし昨今の動きを見ていると、どうもOSの「地位」が霞んできたように思える。

それにはいくつかの理由がある。箇条書きにしてみると、

1.仮想化技術の発展
2.プラットフォーム独立な言語やフレームワークの台頭
3.コンピュータの過剰な処理能力
4.Webプログラム(クラウド)の台頭

といった事情があげられる。特に3番の「過剰な処理能力」は地味だけれども、ITに非常に大きなインパクトを与えているし、近未来ももっとも大きな影響を及ぼしつづけるだろうと考えられる。

数回にわたって、この現象を論じてみたいと思う。

(文:窪田 敏之)
【2009/12/04 01:06】 | Workshop | トラックバック(0) | コメント(0) | page top↑
Google Chrome OS プレビュー版デビュー
私が勝手に呼んでいる「四大OS」の最後の一角、GoogleのChromeOSのプレビュー版がついにデビューした。ちなみに私の言うところの「四大OS」あるいは「四天王」これはデスクトップ用OSの事でサーバ用OSについてはこの中に含めていない。

四天王はデビュー順に

1.アップル OS/X Snow Leopard
2.マイクロソフト Windows 7
3.カノニカル Ubuntu 9.10
4.グーグル Chrome OS preview

という事になる。いずれが菖蒲か杜若、美人ぞろいであるが、どの製品も非常に異なっているところが面白い。中でも今回デビューしたChrome OSは突出して変わっている。これは過去の記事で私が予測しているようにWebレイヤをOS的に活用してしまおう、という非常に野心的な製品であって、実は「デスクトップOS]というよりは「クラウドOS」と呼んだほうが良いのかもしれない。実際には私はこの製品のテストランを行ってはいないのだが、レビュー記事を読むとLinuxカーネルの上でGoogle社のChromeウェブブラウザがあたかもLinuxのシェルのように振舞ってファイルブラウザの代わりになるようだ。

実際、OSの役割とは、IT資源をユーザに効率的に割り付けたり解放したりする事がその本質であるとすれば、ChromeOSの方向性こそ、本流中の本流という事になる。

しかし過去にはマイクロソフトもIE6.0とFile Exprorerの統合を行った事がある。だがその時にはネット上の「資源」はあくまでも従でローカル資源が主だった。

今回はネット上の資源を主にするという部分がこれまでのOSとは全く異なるアプローチだ。実際在来型のOSであるWindows7を使用していても、昨今はクラウドを使用する場合が多いのだ。

マイクロソフトも新しいWindowsLiveの機能ではGoogle Appsを猛追している。

Googleのアプローチは技術史的には正しく将来の方向を示していると思う。さて、普及度はどうなるかな?またこのOSの面白い点はオープンソースで公開されているという事も重要だ。人々はこのOSが気に食わなかったら自分で勝手に書き換えても良いのだ。

(文:窪田 敏之)


テーマ:Google - ジャンル:コンピュータ

【2009/12/02 01:49】 | Google OS | トラックバック(0) | コメント(0) | page top↑
Windows7 Home (64ビット)の使い心地
さてWindows7を自宅のメインマシンにインストールして約一週間が経過した。

まず、ザックリ言って、これは「買い」だ。Windows VISTAのドンくさい部分は概ね改善されている。また、VISTAでは見てくれのコケオドシだっ的たAeroも実用的な機能を割り振られて無駄という感じはしない。

個人ユーザには起動とシャットダウンが非常に速いのも助かる。ところで自宅のマシンはちょっと変な構成になっている。起動用ディスクがマザーボードのファームウェアでサポートされるRAID0に設定しているのだ。このRAID320GBを3台で、約1TB。実際の速度は平均的SSD程度は出るので、案外快適だ。こんなヘンテコな構成であってもWindows7のインストーラはあっさりと認識してさしたるトラブルもなくインストールできた。

一つだけ「ちょっとな」と思ったのがブート用に専用のパーティションを作ってしまう事だ。これは案外不便で、私の場合以前VISTAで使用していたパーティションを変更しなかった上に、今回2TBを増設したのだが、こちらの新しいディスクのLinux用パーティションの後にこれを作られてしまった・・・

これでは後からパーティションの変更ができないし、二台目のディスクを外したらブートもできなくなってしまう。改良点としては、インストール後にこれらのブート情報の位置を変更できるユーティリティをくっつけておいていただけると、なお良いと思う。

運用面では64ビット版を選択したにもかかわらず、特に問題なく全てのソフトが動作しているようだ。このあたりもVISTAと比較すると32ビットエミュレーションの完成度が高まっているのかもしれない。

Aeroを活用したマルチウィンドウの新操作方式は思った以上に使い勝手が良く、非定型業務の多いCEOの生活を助けてくれる。

今週末にはLinux用に開けておいたパーティションに最新版Ubuntu910を入れてみようと思う。実際Ubuntuの完成度もバージョンを上げるたびにどんどん向上している。会社のデスクトップのメインOSは現在Ubuntu910(にKubuntuも追加で入れている)これにGoogle Chrome ブラウザーを使用して最近当社で開始したVTigerやGoogle Appsを使っていると、自分が今Windowsを使用していたのかLinuxを使用していたのかを忘れてしまうぐらい便利だ。

(文:窪田 敏之)
【2009/11/11 19:23】 | MicroSoft | トラックバック(0) | コメント(0) | page top↑
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